放射線治療を受けたあと、
「この症状は副作用なのだろうか」「いつまで続くのだろう」
そんな不安を抱えている方は、決して少なくありません。

この記事では、放射線治療の副作用を「一覧」で整理し、急性期と晩期の違い、照射部位ごとの主な症状をわかりやすく解説しました。
体験者の視点も交えながら、症状の捉え方や向き合い方を知ることで、必要以上に不安を抱えず、今後の判断材料を得ていただくことを目的としています。
まずは、「起こり得ることを知る」ところから、一緒に確認していきましょう。
この記事のポイント
① 放射線治療の副作用は、急性期と晩期で性質や現れ方が大きく異なる
② 副作用は照射部位ごとに特徴があり、消化管・乳房・頭頸部・肺などで症状が変わる
③ 排便障害や嚥下障害など、生活の質に影響する症状も早めの対処で楽になる可能性がある
④ 副作用は一人で抱え込まず、治療後であっても相談できる選択肢があることを知ることが大切

筆者:癌サバイバーきのじー
2014:直腸ガン宣告〜、2016:一時ストーマ閉鎖手術〜以後排便障害で日々奮闘中、2022:狭心症心臓カテーテル手術、2025:肺がん転移と心筋梗塞。体はガタガタですがお酒と食べることは大好き。その昔トランペットとサラリーマンやってました。
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放射線治療の副作用は「いつ起こるか」で性質が異なる

● 急性期副作用とは?治療中〜終了直後に出やすい症状
● 晩期副作用とは?数か月〜数年後に現れる可能性のある症状
● なぜ副作用の出方に個人差があるのか
放射線治療の副作用は、「放射線=すぐ強い症状が出る」というイメージだけでは語れません。
実際には症状が出るタイミングによって性質が大きく異なるため、この違いを知っておくことが、不安を減らす第一歩になります。

ここではまず、「急性期」と「晩期」という2つの考え方を、できるだけやさしく整理します。
急性期副作用とは?治療中〜終了直後に出やすい症状
急性期副作用とは、放射線治療を受けている最中〜治療終了後数週間以内に現れやすい症状です。
放射線が、がん細胞だけでなく周囲の正常な細胞にも一時的なダメージを与えることで起こります。
主な特徴としては、
といった点が挙げられます。
具体的には、次のような症状が知られています。
- 皮膚の赤み・ヒリヒリ感
- 倦怠感(体がだるい感じ)
- 下痢・頻便
- 口内炎や喉の痛み
これらはつらい症状ではありますが、「一時的な反応」であることも多いため、必要以上に悲観しすぎなくても大丈夫な場合があります。
晩期副作用とは?数か月〜数年後に現れる可能性のある症状
一方で晩期副作用は、治療終了から数か月〜数年が経ってから現れることがあります。
これは、放射線による影響が時間をかけて組織に変化を起こすためです。
晩期副作用の特徴は、
という点です。
代表的な例としては、
- 排便障害や慢性的な下痢・便意切迫
- 出血や狭窄などの消化管トラブル
- 嚥下障害・口渇
- 放射線肺炎 など

「治療が終わったのに、なぜ今ごろ…」と戸惑う方も少なくありません。
これは決して珍しいことではなく、適切な相談・対処で楽になる可能性もあります。
急性期と晩期の違いを整理すると(一覧表)
ここで一度、急性期と晩期の違いを表で整理してみましょう。
| 項目 | 急性期副作用 | 晩期副作用 |
|---|---|---|
| 出現時期 | 治療中〜終了後数週間 | 数か月〜数年後 |
| 主な原因 | 一時的な炎症・粘膜障害 | 組織の慢性的変化 |
| 症状の傾向 | 比較的早く改善しやすい | 長引くことがある |
| 例 | 皮膚炎、下痢、倦怠感 | 排便障害、嚥下障害、肺炎 |
このように、「同じ放射線治療の副作用」といっても、性質も対応の考え方も異なります。
なぜ副作用の出方に個人差があるのか
「同じ治療を受けたのに、自分だけ症状がつらい気がする…」
そう感じてしまう方もいらっしゃいますが、副作用には明確な個人差があります。
主な要因としては、
などが関係しています。
つまり、副作用が出たからといって、治療が失敗したわけでも、特別弱いわけでもありません。
「自分の体に起きている変化」として、冷静に受け止め、必要に応じて医療者に相談することが大切です。
このあとからは、
照射された部位ごとに、どのような副作用が起こりやすいのかを、一覧形式も交えながら具体的に見ていきます。
【一覧】放射線治療の主な副作用を部位別に整理

● 消化管(直腸・大腸・小腸)への照射で起こりやすい副作用
● 乳房への放射線治療で見られる副作用
● 頭頸部(口・喉・唾液腺)への放射線治療の副作用
● 肺・縦隔への照射で注意したい副作用
● 皮膚・骨・神経など、全身に関連する副作用
放射線治療の副作用は、「放射線そのもの」よりもどの部位に照射されたかによって大きく異なります。
このパートでは、全体像をつかみやすいように、照射部位ごとに起こりやすい副作用を整理していきます。

「自分に関係ありそうなところだけ拾い読み」しても大丈夫です。
消化管(直腸・大腸・小腸)への照射で起こりやすい副作用
消化管は放射線の影響を受けやすい臓器のひとつです。
特に直腸・肛門周囲は神経や粘膜が密集しているため、症状が生活に直結しやすい特徴があります。
よく見られる症状には、
などがあります。
急性期では炎症による症状が中心ですが、晩期では排便コントロールの難しさが長く続くこともあります。
乳房への放射線治療で見られる副作用
乳房放射線治療では、皮膚や皮下組織への影響が目立ちやすくなります。
代表的な副作用としては、
- 皮膚の赤み・かゆみ・乾燥
- 色素沈着
- 乳房の張り・違和感
- 倦怠感
などがあります。
多くは急性期に現れ、時間とともに落ち着く傾向がありますが、
皮膚トラブルはセルフケアの工夫で楽になることも多いのが特徴です。
頭頸部(口・喉・唾液腺)への放射線治療の副作用

頭頸部への照射では、食べる・話す・飲み込むといった日常動作に関わる症状が出やすくなります。
主な症状として、
- 口渇(唾液が出にくい)
- 味覚の変化
- 口内炎
- 嚥下障害(飲み込みづらさ)
- 声のかすれ
などが挙げられます。
これらは食事量の低下や体重減少につながることもあるため、
早めの対策と専門職のサポートが重要になります。
肺・縦隔への照射で注意したい副作用
胸部への放射線治療では、放射線肺炎と呼ばれる副作用に注意が必要です。
初期には、
といった軽い症状から始まることもあり、風邪と見分けがつきにくい場合があります。
症状が続く場合は、「年齢のせい」「体力の問題」と自己判断せず、
必ず医療機関に相談することが大切です。
皮膚・骨・神経など、全身に関連する副作用
照射部位によっては、局所だけでなく全身的な影響を感じる方もいます。
- 倦怠感が長く続く
- しびれ・違和感
- 骨の脆弱化
- 皮膚の慢性的な乾燥
などが代表例です。
これらは見た目に分かりにくいため、周囲に理解されにくい不安を抱えがちですが、
決して「気のせい」ではありません。
このあとからは、
特に悩みが多い「消化管(直腸・大腸)」の放射線治療副作用について、
急性期・晩期に分けて、もう一歩踏み込んで解説していきます。
消化管(直腸・大腸)放射線治療の副作用|排便障害・痛みの実際

● 急性期に多い症状(下痢・頻便・肛門痛など)
● 晩期に起こりやすい症状(排便障害・出血・狭窄)
● 生活の質(QOL)に影響しやすいポイント
消化管、とくに直腸・肛門周囲は、放射線治療後の副作用が生活に直結しやすい部位です。
「治療は終わったのに、トイレの不安が続く」「外出が怖くなった」――そう感じる方は少なくありません。

ここでは、急性期と晩期に分けて、起こりやすい症状の実際と向き合い方を整理します。
急性期に多い症状(下痢・頻便・肛門痛など)
治療中〜終了直後にかけては、腸粘膜の炎症が主な原因となり、次のような症状が出やすくなります。
これらは、放射線による一時的な刺激反応として起こることが多く、
治療終了後、徐々に落ち着いていくケースも少なくありません。
ただし、痛みや下痢を我慢しすぎると、食事量が減ったり、体力が落ちたりすることもあります。
「この程度で相談していいのかな」と遠慮せず、早めに医療者へ伝えることが大切です。
晩期に起こりやすい症状(排便障害・出血・狭窄)
治療から数か月〜数年後に現れる晩期副作用では、腸や肛門の構造変化が関係してきます。
代表的な症状としては、
などが挙げられます。
とくに「外出先でトイレが心配」「長時間の移動が不安」という声は多く、
生活の質(QOL)への影響が大きい症状といえます。
生活の質(QOL)に影響しやすいポイント

排便障害は、見た目では分かりにくいため、
周囲に理解されにくい苦しさを伴うことがあります。
影響を受けやすい場面としては、
- 外出・旅行・仕事
- 睡眠(夜間頻便)
- 食事の楽しみ
- 精神的な安心感
などがあり、「体の症状」と「心の負担」が重なりやすいのが特徴です。
一方で、
- 食事内容の調整
- 排便リズムを整える工夫
- 薬物療法やリハビリ的アプローチ
によって、症状が軽く感じられるようになる方もいます。
「放射線治療後の排便障害」は、
我慢するものでも、一人で抱えるものでもありません。
次のパートでは、
乳房放射線治療で起こりやすい副作用と、日常生活でできる対策について解説していきます。
乳房放射線治療の副作用と日常生活での対策

● 皮膚トラブル(発赤・色素沈着・かゆみ)
● 倦怠感・腕や肩の違和感
● 副作用を軽減するためにできるセルフケアの考え方
乳房への放射線治療は、再発リスクを下げる目的で行われることが多く、多くの方が比較的元気な状態で治療を受けられます。
その一方で、「見た目や日常生活に関わる副作用」が気になりやすい部位でもあります。

ここでは、よくある副作用と、無理のない対処の考え方を整理します。
皮膚トラブル(発赤・色素沈着・かゆみ)
乳房放射線治療で最も多いのが、皮膚への影響です。
放射線が皮膚表面を刺激することで、次のような症状が出やすくなります。
多くは治療中〜終了後しばらくでピークを迎え、
時間の経過とともに落ち着くことが多いとされています。
日常生活で意識したいポイントとしては、
- 低刺激の保湿剤でやさしくケアする
- 締め付けの少ない下着を選ぶ
- ゴシゴシ洗わず、泡でなでるように洗う
といった、「刺激を減らす」視点が基本になります。
倦怠感・腕や肩の違和感
乳房照射では、直接関係なさそうに見えても、
- 体が重だるい
- 眠りが浅い
- 腕や肩が動かしにくい
といった症状を感じる方もいます。
これは放射線そのものの影響に加え、
- 治療による緊張
- 通院の疲れ
- 姿勢の偏り
などが重なって起こることがあります。

「動かしたほうがいいのか、休んだほうがいいのか分からない」と迷う場合は、
無理のない範囲で軽く体を動かすことが、結果的に楽につながることもあります。
副作用を軽減するためにできるセルフケアの考え方
乳房放射線治療の副作用は、早めにケアすることで悪化を防げる可能性があります。
意識したい考え方としては、
- 症状が軽いうちに相談する
- 「我慢できるから大丈夫」と放置しない
- 日常生活の中で負担を減らす工夫をする
という3点です。
とくに皮膚症状は、
医療用の外用剤で楽になるケースも多いため、自己判断せず相談する価値があります。
乳房放射線治療の副作用は、
適切なケアで乗り越えやすいものが多いのも特徴です。
次のパートでは、
頭頸部放射線治療後に起こりやすい「嚥下障害」や口腔トラブルについて、もう少し詳しく解説していきます。
頭頸部放射線治療後の嚥下障害・口腔トラブルへの向き合い方

● 嚥下障害・口渇・味覚変化が起こる理由
● 食事や水分摂取で工夫できるポイント
● 専門職(歯科・リハビリ)との連携の重要性
頭頸部(口・喉・唾液腺など)への放射線治療は、がんの制御に重要な一方で、
「食べる・飲み込む・話す」といった日常動作に影響が出やすい部位でもあります。

ここでは、嚥下障害や口腔トラブルが起こる理由と、無理のない対処の考え方を整理します。
嚥下障害・口渇・味覚変化が起こる理由
放射線が頭頸部に当たることで、次のような変化が起こることがあります。
その結果、
- 食べ物が喉につかえる感じ
- むせやすくなる
- 味が分かりにくい
- 食事が億劫になる
といった症状が現れます。
これらは急性期に強く出ることもありますが、
晩期に長く続くケースもあるため、早めの対策が重要です。
食事や水分摂取で工夫できるポイント
嚥下障害や口渇があると、「何を食べたらいいのか分からない」と不安になりがちです。

そんなときは、次のような工夫が役立つことがあります。
また、無理に「普通食」に戻そうとせず、
今の状態に合った食事形態を選ぶことが大切です。
専門職(歯科・リハビリ)との連携の重要性
頭頸部放射線治療後の症状は、
医師だけでなく、歯科医師・歯科衛生士・言語聴覚士などの専門職が関わることで、
楽になる可能性があります。
- 嚥下リハビリ
- 口腔内の清潔保持
- 義歯や補助具の調整
といった支援は、「もっと早く知りたかった」と感じる方も少なくありません。
「年齢のせい」「仕方ない」と諦める前に、
相談できる選択肢があることを知っておくだけでも安心材料になります。
頭頸部の副作用は、
食べる楽しみや会話といった“日常の質”に直結する問題です。
次のパートでは、
放射線肺炎の症状・経過・治療の考え方について、分かりやすく整理していきます。
放射線肺炎とは?症状・経過・治療の考え方

● どんな症状が出るのか(咳・息切れ・発熱など)
● 急性期と晩期での違い
● 早めに相談した方がよいサイン
胸部(肺や縦隔)に放射線が当たる治療では、放射線肺炎と呼ばれる副作用が起こることがあります。
名前に「肺炎」とつくため不安を感じやすいですが、早めに気づいて対応することで落ち着くケースも多い副作用です。

ここでは、症状の特徴と経過、相談の目安を整理します。
どんな症状が出るのか(咳・息切れ・発熱など)
放射線肺炎の初期症状は、比較的あいまいなことがあります。
よくあるサインとしては、
などが挙げられます。
風邪や加齢、体力低下と区別がつきにくく、
「そのうち治るかな」と様子を見てしまう方も少なくありません。
ただし、症状が数日〜数週間続く場合は、
放射線治療との関連を疑って相談することが大切です。
急性期と晩期での違い

放射線肺炎も、他の副作用と同じく時期によって性質が異なります。
- 急性期
治療終了後1〜3か月頃に出やすく、炎症が主体 - 晩期
数か月〜1年以上経ってから、線維化(肺が硬くなる変化)が関与することもある
急性期では、
適切な治療で症状が改善する可能性がある一方、
晩期では経過を見ながらの管理が中心になることもあります。
早めに相談した方がよいサイン
次のような状態があれば、
「念のため」の相談をおすすめします。
「大げさかな」と思うくらいで、
相談してちょうどいい副作用ともいえます。
放射線肺炎は、
早期発見・早期対応が安心につながる副作用です。
次のパートでは、
皮膚・骨・神経など、全身に関係する放射線治療の副作用について解説していきます。
皮膚・骨・神経など、全身に関連する副作用

● 皮膚に現れる慢性的な変化
● 骨への影響(脆弱化・痛み)
● 神経への影響(しびれ・感覚異常)
● 倦怠感など、全身的に感じる副作用
放射線治療の副作用は、照射した部位だけに限られるとは限りません。
とくに治療が長期に及んだ場合や、複数の治療を組み合わせた場合には、全身的な不調として感じられる副作用が現れることもあります。

ここでは、比較的見逃されやすい「皮膚・骨・神経」に関係する症状を整理します。
皮膚に現れる慢性的な変化
放射線が当たった皮膚は、急性期の炎症が落ち着いたあとも、
長期的な変化が残ることがあります。
これらは見た目の問題だけでなく、
下着や衣類の刺激が不快感につながることもあります。
日常的な保湿ケアや、刺激を減らす工夫によって、
症状が軽く感じられる場合もあります。
骨への影響(脆弱化・痛み)
放射線が骨を含む部位に照射された場合、
まれに**骨が弱くなる(放射線性骨障害)**ことがあります。
具体的には、
といった形で気づくことがあります。
すべての方に起こるわけではありませんが、

痛みが続く場合は「年齢のせい」と決めつけず相談することが大切です。
神経への影響(しびれ・感覚異常)
照射部位によっては、
神経が放射線の影響を受け、次のような症状が出ることがあります。
- 手足のしびれ
- 感覚が鈍い、または過敏になる
- ピリピリした違和感
これらは検査で分かりにくい場合もあり、
本人しか分からないつらさになりがちです。
症状が日常生活に支障をきたす場合には、
薬物療法やリハビリで軽減できる可能性もあります。
倦怠感など、全身的に感じる副作用
放射線治療後、「なんとなく体が重い」「疲れが抜けにくい」と感じる方もいます。
- 十分寝ても疲れが取れない
- 集中力が続かない
- 気力がわきにくい
といった状態は、
放射線の影響・治療のストレス・体力低下が重なって起こることがあります。
周囲から理解されにくい症状ですが、
決して甘えや気の持ちようではありません。
全身に関わる副作用は、
**「目に見えにくいからこそ、我慢してしまいやすい」**という特徴があります。
次のパートでは、
副作用とどう付き合っていくか──治療後の人生を見据えた考え方についてお話しします。
副作用とどう付き合うか|「治療後の人生」を見据えた考え方

● すべての副作用が必ず起こるわけではない
● 長く続く症状との向き合い方
● 一人で抱え込まないための相談先
● 気持ちの負担も「大切な症状のひとつ」
放射線治療の副作用は、「治療が終わればすべて終わり」という単純なものではありません。
とくに晩期副作用は、治療後の人生そのものにどう向き合っていくかという視点がとても大切になります。

ここでは、副作用と長く付き合ううえでの考え方を整理します。
すべての副作用が必ず起こるわけではない
まず大前提として知っておいてほしいのは、
放射線治療を受けた人すべてに、重い副作用が出るわけではないということです。
本当にさまざまです。
「同じ治療を受けた人と比べて、自分はつらい」と感じても、
それは決して珍しいことでも、弱いわけでもありません。
長く続く症状との向き合い方
晩期副作用の特徴は、
完全にゼロにすることが難しい場合があるという点です。
ただし、
- 少しでも楽にする
- 生活の中で困る場面を減らす
- 不安をコントロールする
といった「調整」は可能なケースが多くあります。
たとえば、
- 排便障害 → 食事・薬・外出時の工夫
- 痛み → 痛み止めや局所ケア
- 倦怠感 → 生活リズムの見直し
など、「完治」ではなく**“付き合い方を最適化する”**という視点が役立ちます。
一人で抱え込まないための相談先

副作用は、
診察室の短い時間では伝えきれない悩みになりがちです。
ですが、
- 主治医
- 看護師
- 薬剤師
- がん相談支援センター
など、相談できる窓口は複数あります。
「治療は終わったから、もう言いづらい」と感じる必要はありません。
治療後の困りごとも、医療のサポート対象です。
気持ちの負担も「大切な症状のひとつ」
副作用による不安や落ち込みは、
体の症状と同じくらい大切なケアの対象です。
こうした気持ちは、ごく自然な反応です。
「前向きにならなきゃ」と無理をするより、
不安があることを認めること自体が、回復の一歩になることもあります。
放射線治療の副作用は、
人生の一部として、形を変えながら続いていくものかもしれません。
次のパートでは、
体験者だからこそ伝えたい、放射線治療後の不安との付き合い方についてお話しします。
体験者だから伝えたい|放射線治療後の不安との付き合い方

● 時間が経ってから出る症状に戸惑ったとき
● 知っておいてよかった」と感じたこと
● 今、不安を抱えている方へ伝えたい視点
放射線治療が終わったあとも、「これで本当に一区切りなのだろうか」「この症状はこのまま続くのだろうか」と、不安がふと顔を出すことがあります。
それはとても自然な感情で、治療を乗り越えてきたからこそ生まれるものでもあります。

ここでは、体験者の視点から、不安との向き合い方について整理します。
時間が経ってから出る症状に戸惑ったとき
放射線治療の副作用は、時間差で現れることがあるため、
「治療は終わったはずなのに…」と戸惑う方が多いのが現実です。
こうした変化があると、「悪化しているのでは」と不安になりますが、
晩期副作用として説明がつくケースも少なくありません。
まずは「起こり得ることだった」と知るだけでも、
気持ちが少し落ち着くことがあります。
「知っておいてよかった」と感じたこと
治療後に振り返ってみると、
事前に知っていれば、もう少し楽だったかもしれないと感じることがあります。
- 副作用は人それぞれ違うこと
- すぐに答えが出ない症状もあること
- 医療者に相談してよいタイミングは「つらいと思ったとき」だということ

これらを知っているだけで、
「我慢するしかない」という考えから少し距離を置けるようになります。
今、不安を抱えている方へ伝えたい視点
もし今、放射線治療後の副作用や不調で悩んでいるなら、
その不安は決して特別なものではありません。
ということを、どうか忘れないでください。
「以前の自分と同じでなくてもいい」
「今の体に合った生活を探していく」
そう考えられるようになると、
不安は少しずつ、コントロールできるものに変わっていきます。
放射線治療後の人生は、
治療を受けた経験を背負いながらも、続いていく日常です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
総括とまとめ

🔵 放射線治療の副作用を一覧で整理し、急性期と晩期の違い、照射部位ごとの特徴について解説
🔵 放射線治療の副作用は、「いつ」「どこに」照射されたかによって現れ方が異なり、人それぞれ違う経過をたどるという点が本質
🔵 排便障害や嚥下障害、倦怠感など、生活の質に影響しやすい症状も、調整や相談で軽減できる可能性がある
🔵 副作用への向き合い方は、「治す」だけでなく、今の体に合った付き合い方を見つけることが大切です。
🔵 症状を我慢したまま過ごすより、相談や情報を知っておくだけでも、結果的に楽になることがある
🔵 放射線治療後の人生は続いていきます。不安を抱えながらでも、自分のペースで前に進める選択肢があることを、どうか忘れないでください
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